認知症の方のお引っ越し


私たちがお引っ越しのお手伝いをする中で直面する問題、「認知症を患う方で、支援してくれる身内がいない方のお引っ越し」というものがあります。老人ホームの入所にあたり必要なものを、本人と相談しながらまとめることには慣れていますが、「自分が決めたことを忘れてしまう」「自分が引っ越しをする必要性を忘れてしまう」「関係者との打ち合わせや段取りができない」などといった打ち合わせの段階から複数の課題が発生します。

こうしたケースは、根気よく本人と関わりながら、じわじわと意思確認をとりながら、全ての行程において寄り添った対応が求めれられます。

さらに、荷物の選別や荷造りなどをご自身ではできない方がほとんどですし、転居先で必要になる家具・家電を用意しなければならないが、買い物に自分で行けない、何が必要か覚えられない方もたくさんいらっしゃいます。

引っ越す際のライフライン解約の連絡や、管理会社との調整、役所の転居手続きなど認知症の方にとってはハードルが高い作業もたくさんありますが、そうした事も全て含め、お引っ越しに際して全面的に支援が必要な方のご対応には特に力を入れています。

 

しかし、私たちの勝手な主観や不要な善意により本人に不利益が生じないよう、できる限り、周囲で関わっているケアマネージャーやかかりつけ医、民生委員、大家さんやご近所さんなどと連携しながら、一つでも多く視点を増やして対応するよう心がけています。